クリエイティブ・コモンズライセンス素材のゲーム利用について

クリエイティブ・コモンズ・マーク

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クリエイティブ・コモンズ・マーク
画像はCC4.0-byに基づき、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンより利用

ゲームで利用する際の落とし穴

クリエイティブ・コモンズライセンスは、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」と意思表示をするためのツールです。著作権者は利用者が一目で利用条件がわかり利用してもらいやすくなるメリットがあります。利用者もライセンス内容を一目で理解でき、条件の範囲でどんなことにでも利用できます。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは表示・非営利・改変禁止・継承と4種類の条件があり、この条件を好きなように組み合わせて配布することができます。改変禁止と継承は矛盾するため組み合わせは不可能。

ゲーム製作者がクリエイティブ・コモンズライセンスを付与した素材を利用する場合に絞って、それぞれの条件について見てみましょう。

表示(BY)
作品のクレジットを表示すること。

非営利(NC)
営利目的での利用不可です。

有料同人ゲーム、課金機能のある基本無料ゲーム、カンパウェア、プレイ動画収益目当てのゲームなど利益を得る行為での利用が禁止となります。クリエイティブ・コモンズの営利は使用者に1円でも金銭の授与がある場合、利用不可です。そのため、非営利の範疇と言える製作費を回収する程度の利益も営利となります。

改変禁止(ND)
元の作品を改変しないこと。

同期する著作物の組み合わせも禁止のため、ゲームでの利用は不可能です。

継承(SA)
元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること。

ゲームでの利用は大半の場合、難しいと言わざるを得ません。
ゲームもクリエイティブ・コモンズで配布することが義務付けられます。また、ゲーム内にCC-BY-ND(改変禁止)素材とCC-BY-SA(継承)素材が混在した場合、改変禁止素材を改変許可素材として再公開しなければいけないためライセンス矛盾が発生してしまいます。

まとめ
以上から実質的にゲーム素材として利用できるクリエイティブ・コモンズ素材はCC-BY、又はCC-BY-NCの2種が妥当でしょう。

技術的保護(DRM)禁止条項

上記4種のきまりだけで終われば、まだ実用の目途がありますが、クリエイティブ・コモンズにはもう一つ大きな落とし穴があります。ゲームで利用するために一番問題になる条項がこの技術的保護(DRM)禁止条項です。全てのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに定義する決まりとしてクリエイティブ・コモンズ第2条a5Bに規定しています。

ダウンストリーム(下流側)への制限の禁止 あなたは、ライセンス対象物の受領者がライセンスされた権利を行使するのを制限されることになる場合には、ライセンス対象物に対して、いかなる追加条項または異なる条項も提案または課してはならず、あるいは、いかなる効果的な技術的保護手段も適用してはなりません。
引用元:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.ja

そのため、クリエイティブ・コモンズとして提供する全ての著作物に技術保護をかけてはいけません。例えばウディタで配布パッケージを作ってはいけません。RPGツクールMVで配布する時に暗号化してはいけません。RPGツクールVX ACEでRGSS3ファイルに固めてはいけません。それらは全て技術保護手段にあたります。

幸いにして、クリエイティブ・コモンズ著作物のみ技術保護を回避すればよいため、RPGツクールMVの場合、全て暗号化した後に該当のファイルだけ暗号化していないファイルに置き換えれば対処できます。RPGツクールVX ACEの場合、Audioファイルは未暗号がデフォルトです(それはそれで暗号化を義務付けている素材で問題が起きますが)。

RPGあつま~るなど暗号化をしてはいけないゲーム投稿サイトで使用する場合は問題ありません。

現在の問題

技術的保護(DRM)禁止条項は、ほとんど日本国内では知り渡っていません。そのため、次の問題が発生しています。

著作者側
ゲームでの使用を想定してクリエイティブ・コモンズ素材を配布している場合があります。しかし、利用者からすると配布者の事情関係無しに使うこともできません。ゲーム利用を想定しているのに気軽に利用できない矛盾が発生してしまいます。

利用者側
ライセンス違反のため、著作者から訴えられる可能性があります。

両者
両者が知らない場合、お互いの合意があるため、現在は問題になりません。しかし、著作権非親告罪化など外部が関わってくるよう法律が改訂するとお互いの暗黙的な合意があるにも関わらず逮捕という事態も発生します。

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